高卒採用のメリット|地域の企業から見た採用の確かさと地元への定着
地域の企業にとって、高卒採用のよさは「応募から入社までの見通しを立てやすいこと」と「地元で働きたい若者を迎えて育てられること」にあります。どちらも、学校とハローワークを通す高卒就職の仕組みから生まれるものです。この記事では、採用冊子の営業で企業に伝えたい高卒採用のよさを、仕組みに沿って整理します。
よさは「仕組み」から生まれる
高卒の就職では、企業と生徒の間に、ハローワークと学校が入ります。企業の求人はハローワークで内容の確認を受け、求人票として学校に届きます。生徒はその求人票を見ながら進路指導の先生と話し合い、応募先を選びます。応募の書類を企業に出すのも学校です。確認を受けた求人の中から、先生という相談相手と一緒に選べる仕組みと言えます。
日程も決まっています。2027年3月に卒業する生徒の場合、学校への求人申込と学校訪問は7月1日から、選考と内定は9月16日からです(出典: 厚生労働省「令和9年3月新規高等学校等卒業者の就職に係る採用選考期日等」2026年2月発表)。毎年同じ流れで進むため、企業は1年の採用の計画を立てやすくなります。
確かさ1:応募の前に、生徒が確かめる段階がある
高卒の就職では、応募前の職場見学を受け入れている企業には、生徒が学校を通して見学を申し込めます。職場見学は選考ではなく、生徒が仕事と職場を自分の目で確かめる機会です。見学では、仕事の様子だけでなく、働く人の表情や職場の雰囲気も伝わります。企業にとっても、生徒の質問から、自社の仕事のどこが伝わりにくいかに気づく機会になります。
求人票や冊子で会社を知り、見学で確かめ、先生や家族と相談してから応募する。この順番を経て届く応募は、生徒がその会社のことを考えたうえでのものです。企業にとっては、仕事の中身を知ったうえで応募してくる生徒と、選考で向き合えることになります。
確かさ2:一人一社の期間は、応募先を1社にしぼる
多くの都道府県で、一定の期間は1人1社しか応募できない申し合わせがあります。運用は都道府県と年度で違うため、担当する地域の申し合わせで確かめます。
この期間に届く応募は、生徒が先生と相談して1社にしぼった末の応募です。企業の側は、一人ひとりの応募に時間をかけて向き合えます。内定を出したあとの見通しも立てやすくなります。
大学生の就職では、学生が企業と直接やり取りし、同じ時期に複数の会社に応募することもできます。高卒の就職は、学校が間に入ること、多くの都道府県で一定の期間は1社にしぼることが大きく違います。どちらがよいということではなく、採用の進み方が違うのです。高卒採用では、応募の数を集めることより、応募の前に知ってもらうことが大切になります。
確かさ3:内定から入社まで、学校が間にいる
内定のあとも、生徒が在学しているあいだは、企業とのやり取りは学校を通して行います。入社前の連絡や準備も、先生という相談相手がいる中で進みます。
選考と内定のあと、入社する春までのあいだには、受け入れの準備を整える時間があります。最初に覚える仕事の順番を決める、相談できる先輩を決めておく、といった入社後に向けた準備を進められます。
地元への定着:通える場所で、社会人の一歩目を支える
地元で働きたいと考える生徒にとって、家から通える地域の企業は大切な選択肢です。住まいや家族との暮らしを変えずに働き始められることは、社会人になったばかりの若者の支えになりえます。企業にとっては、地域の事情を知る社員を迎え、一から育てていく機会です。地元の高校を卒業した先輩社員の姿は、職場見学に来た生徒にとって、自分の数年後を思い描くきっかけにもなります。
ただし、定着は採用した時点で決まるものではありません。入社前に思い描いた仕事と実際の仕事が違えば、早く辞めてしまうこともあります。定着のために企業ができることとして、入社前に仕事と職場を具体的に伝えることと、入社後に相談できる人を決めておくことがあります。労働局も、応募前の職場見学は、事前の理解不足による就職後の早期離職の防止に役立つとしています(出典: 東京労働局・都内ハローワーク「職場見学の積極的な受入れにご協力ください」)。
採用冊子の営業で伝えたいこと
採用冊子の営業では、こうしたよさを、決まりとあわせて正しく伝えることが大切です。高卒採用のよさは、学校とハローワークを通す決まりを守ってこそ生きるものだからです。
伝え方は、企業によって変えます。初めて高卒採用をする企業には決まりと日程から、これまで採用してきた企業には入社後の育て方から話を聞くと、相手に合う話がしやすくなります。
ワカチョクの冊子は、見開き2ページで1社を紹介し、高校・専門学校に無料で届けます。冊子は、応募の前に会社を知ってもらう機会を増やす道具で、採用を約束するものではありません。採用の確かさと地元への定着という高卒採用のよさを、企業と一緒に生かしていくことを営業の軸にしています。
よくある質問
Q1. 応募前の職場見学は、選考の一部ですか? A. 選考ではありません。生徒が仕事と職場を確かめるための機会です。見学の申し込みや日程の調整は、学校を通して行います。
Q2. 一人一社の期間に応募がなかったら、その年はあきらめるしかありませんか? A. 令和9年3月卒業者の申し合わせでは、当初は1人1社とする40の都道府県のすべてで、10月1日から11月1日までのあいだの決められた日から、1人2社までなど複数の会社に応募できるようになります(求人者の承諾がある場合に限るなど、条件のある県もあります。出典: 厚生労働省 高卒就職情報WEB提供サービス「令和8年度(令和9年3月)卒業者に係る検討結果一覧表(令和8年6月現在)」)。運用は都道府県と年度で違うため、管轄のハローワークや労働局で確かめます。
Q3. 高卒で入社した社員に長く働いてもらうには、何が大切ですか? A. たとえば、入社前に、仕事の中身や1日の流れ、最初に覚えることを具体的に伝えることが挙げられます。入社後は、困ったときに相談できる先輩や上司を決めておくと、新しい環境に慣れる助けになります。
まとめ
地域の企業にとっての高卒採用のよさは、学校を通す仕組みが生む、応募から入社までの見通しの立てやすさと、地元で働きたい若者を迎えて育てられることです。どちらも、決まりを守り、入社前に仕事と職場を伝えることで生きてきます。
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監修:株式会社ワカチョク 編集部