高卒採用の支援を「穴場」と考える理由|大卒の就職との違いから見る
ワカチョクは、高卒採用の支援を「穴場」の分野だと考えています。高校生を迎えたい企業の求人が多いのに、その情報を生徒と先生に伝える手段は、決まりによって限られているからです。国の公表データと、大学生の就職との仕組みの違いから、その理由と、簡単ではない点を整理します。
国のデータで見る、高校生への求人の多さ
求人倍率は、仕事を探す人1人に対して、求人が何人分あるかを示す数字です。厚生労働省によると、2027年3月に卒業する高校生の求人倍率は、2026年7月末時点で3.60倍でした。学校やハローワークを通じて仕事を探す生徒約12万7千人に対し、求人は約45万9千人分ありました。前の年の同じ時期より0.09ポイント下がり、求人の数も前の年(約46万7千人分)より減りましたが、7月末時点の倍率は2023年3月卒から5年続けて3倍を超えています。都道府県別では、1.42倍から13.81倍まで開きがあります(出典: 厚生労働省「令和8年度『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況』取りまとめ(令和8年7月末現在)」2026年9月公表)。
同じ7月の、ハローワークで仕事を探す人全体の有効求人倍率(季節による動きをならした値)は1.18倍でした。新しく学校を卒業する人を除き、パートタイムを含む数字です(出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」2026年8月発表)。
対象も数え方も違うため、2つの数字はそのまま比べられません。目安として並べると、高校生への求人の多さがうかがえます。
大学生の就職と、何が違うのか
大学生の就職では、企業が説明会や自社のホームページ、インターンシップなどで学生に直接呼びかけ、学生は自分で企業を探して応募します。企業と学生が直接やり取りできることが、高校生の就職との大きな違いです。
高校生の就職では、学校とハローワークが間に入ります。2027年3月卒の生徒では、ハローワークの確認を経た求人票を企業が学校に出し、学校を訪ねられるのは7月1日からです。応募書類が学校から企業へ送られ始めるのは9月5日(沖縄県は8月30日)、選考と内定の開始は9月16日です(出典: 厚生労働省「令和9年3月新規高等学校等卒業者の就職に係る採用選考期日等」2026年2月発表)。
| 比べる点 | 大学生の就職 | 高校生の就職 |
|---|---|---|
| 企業の情報 | 企業が説明会やホームページで直接伝える | ハローワークの確認を経た、決まった様式の求人票が学校に届く |
| 応募 | 学生が自分で応募する | 先生と相談し、学校を通じて応募する |
| 連絡 | 企業と学生が直接連絡を取り合う | 企業から生徒へ直接は連絡せず、学校を通す |
求人の多さと、届け方の少なさが重なる
企業が自分で学生に呼びかけられる大学生の就職と違い、高校生の就職では、企業が生徒に自社を伝える手段は決まりの中のものに絞られます。国の会議の資料では、求人票の多くが紙で学校に届くため、生徒が大量の紙から求人を探しにくいことや、紙の整理などで先生の負担が増していることが、課題に挙げられています(出典: 厚生労働省「高卒就職のデジタル化に向けた検討について」第35回高等学校就職問題検討会議 資料4、2026年2月)。
求人が多いのに、企業の情報を届ける手段は限られています。この組み合わせが、私たちが「穴場」と考える理由です。地域の企業の仕事や職場の様子を、高校生と先生が読みやすい形にまとめ、決まりに沿って学校に届ける仕事には、出番があると考えています。
簡単ではない理由も知っておく
一方で、すぐに形になる仕事ではありません。加盟を考える前に、次の点を知っておいてください。
- 学校との信頼づくりに時間がかかる:学校に伺う前に教育委員会へごあいさつをし、訪問の日も先生の都合を優先します。信頼は、約束を守り続けることで少しずつ築かれます
- 決まりを守り続ける必要がある:日程は年度ごとに発表され、見直しも話し合われています。2026年2月の国の会議では、求人票の公開を早めるかどうかが議論され、2027年3月卒も7月1日のままとなりました(出典: 厚生労働省「高卒求人票の公開時期について」第35回高等学校就職問題検討会議 資料3)
- 届け方も変わっていく途中:同じ会議の資料では、求人票の電子化(2028年3月卒からの適用を目指す)や、国による求人企業説明会の開催も示されています(出典: 厚生労働省 第35回高等学校就職問題検討会議 資料3・資料4)
- 営業の中心は、地道な電話と訪問:企業に電話をかけて会う約束をいただき、訪ねて話を聞くのが基本です。求人倍率が高くても、企業から声がかかるのを待つ仕事ではありません
ワカチョクの採用冊子という届け方
ワカチョクの採用冊子は、この「届ける手段」の一つです。地域の企業を1社につき見開き2ページで取り上げ、掲載料は載る企業からいただきます。冊子は、地域の高校・専門学校へ無料で届けます。この事業をフランチャイズで各地に広げています。
加盟店(エリアオーナー)は、担当地域で企業を回って営業・取材をし、学校との関係を育てます。本部は、営業の道具や研修、ロールプレイ(営業の練習)、進み具合の打ち合わせを通して加盟店を支えます。学校と関わるときは、生徒の個人情報を取得しないこと、授業の中で特定の企業への就職を勧めないこと、希望する生徒の取り次ぎは進路指導部を通すことなどの約束を守っています。
よくある質問
Q1. 求人倍率が高いなら、冊子に載った企業は採用できますか? A. 採用できるとは限りません。倍率が高いということは、生徒の数を上回る求人が集まっているということでもあります。冊子の役目は、応募先を考える前の生徒と先生に、会社を知ってもらうきっかけをつくることです。
Q2. 今の求人倍率は、この先も続きますか? A. 先のことは分かりません。厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめの推移の表では、7月末時点の倍率が1倍を下回った年が16回あり、1999年3月卒から2006年3月卒までは8年続きました(最も低い2003年3月卒は0.50倍、2011年3月卒は0.67倍)。今の数字が続くと決めつけずに、地域の数字の動きを毎年確かめてください。
Q3. 自分の地域の数字は、どこで確かめられますか? A. 厚生労働省の同じ取りまとめに、都道府県別の表があります。管内の数字を都道府県労働局が公表していることもあります。法人の数や高校の数なら、当サイトのエリア診断で都道府県ごとに見られます。
まとめ
高校生の求人倍率は3.60倍で、仕事を探す高校生1人に対して3人分を超える求人があります。一方で、企業の情報が生徒と先生に届く道は、学校を通す決まりの中で限られています。この2つが重なるところに、地域で企業の情報を届ける仕事の出番があります。ただし、学校との信頼づくりなど、時間をかけて取り組む仕事です。
ご自身の地域ではどうかを知りたい方は、個別相談をご利用ください。ワカチョクの加盟の詳しい条件も、個別相談でご説明しています。
監修:株式会社ワカチョク 編集部